北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー

北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー北斗語り北斗語りとは

日本マンガ史にその名を刻む名作「北斗の拳」が2013年、連載開始「30周年」を迎える。
この記念すべき年を意義あるものにすべく、原作の公式親善大使が豪華ゲストを迎えて対談。
これまで語られてきた北斗、語られていない北斗。
北斗に魅せられし者たちが届ける大型新連載、愛深きゆえに行われる。

川越達也

川越達也

VOL12川越達也

──お見事です! ちなみに、これがコース料理になると…たとえば北斗の拳というコースなら?

普段から本店のコースのラインナップがそういう雰囲気を醸し出してるかもしれませんね。料理の流れと味の組み立てに起承転結があるんですけど。美しい味わいのものがあったり、優しい味わいのフワ~っとしたものや変則的なものがあったり。

──キャラクターの個性が料理やコースメニューに通ずる部分がある。

ええ。デザートには美しいレイのようなものが出たりとかね。北斗の拳を意識してるわけではありませんが味わいの設定は近いですよ。言われて初めて気がつきました。

──北斗のキャラも料理の幅のように豊富ということですね?

いろんなキャラクターを集めるというか、コース仕立てだからこそ提案できる物語。そういう部分は普段から心がけています。月によってはラオウ的なものが前菜に来たりとかね。でも、全部の料理がラオウの味わいだと良くないので、ケンシロウやレイがいたり。

──具体的なコース料理にキャラを当てはめることはできますか?

過去のコース(※5)だと、牛赤身グリルのスモーキーバーベキューソース。これなんかはまさにラオウですよね。そして、レイのような美しさで言うのであれば冷製パスタ。こちらの代官山の…「畑」。バーニャカウダなのでトキですね。ケンシロウは幻の卵、カルボナーラ。このリゾットはトリュフを乗せたりしてるんでユリアにしときますか。あっ、イワシのテリーヌ。これはジャギかもしれませんね。クセがあって美味しい。

【※5】
2013年10月のコースメニュー。

 

──さすがにご自身が考えられたコースだと熱くなりますね(笑)。

うなぎのフラン、ごぼうの泡なんかはリンかもしれません。

──ええええ! リンがゴボウ?

ゴボウというよりは、リンがこれを食べて「ケ~ン! 美味しい!!」と テンション上るイメージです。

──あ~。そういう意味でのリン!

しかも、ウチのオススメなんです。

──となると…バット君は(笑)。

バット。そうですね、舟形のマッシュルームっていう美味しいものがあるんですけど、ウチはそれをつねに使ってますので。原作でも、つねに主役級のキャラの脇を固めてるでしょ?

──北斗四兄弟と友達のレイ、ケンシロウのフィアンセであるユリアと子どもたち。いいですよ、これ!

うんうん。バランスいいですね。ピッタリきました。うん。面白いっ!!

──おお! 川越スマイル!

思った以上にキャラが当てはまったんで嬉しくなりました。こういう考え方をしたことが無かったので。

──ここまで来たら、他の個性的なキャラも聞きたいのですが。レイが出たんでユダなんかどうです?

美しさでいくと、マチェドニアにしときますか。これは様々なフルーツのマリネなんですけど……ん?

──あら? どうしました?

いや。違うかもしれない。だってユダの美しさには嫉妬がありますよね。

──あ~。美を追究してるけど、それはレイへの憧れ。見た目は本当に豪華だけど内面は弱い。

となると例えられませんね。ウチでそれを出したら大変です(笑)。

──なるほど。ただ、北斗のキャラたちも料理に通ずる…というか、キャラも素材といえば素材ですもんね。

そうですね。時期によって内容は変わりますけど、北斗のように物語があって、多くのキャラクターが出てきて完食…つまり北斗の拳を完読した時に「楽しかった」とか「心地よかった」と思うとか。コース料理も順番に出てくるメニューがピタッとハマるというか…食べ合わせはすごく重要なんですよね。

──まさに、漫画のストーリー。

ええ。次の章に入ると展開変わったりするじゃないですか。あとは組み立ての中盤から毛色を変えたり。

──たしかに。例えばシュウは「盲目の強い奴」というだけの設定。最初は幼いころのケンシロウを救ったエピソードは考えられてませんでした。

そう。まさしく、毛色が変わる!

──いや~。川越さん。今回は前例の無い対談になりました。料理でここまで北斗を語れるとは。

そうですね。話していて僕もビックリしました。

──同感です。楽しかったです!

僕の方こそ楽しかったです!

日本人の感性と味覚でジャンルに捕らわれず
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TATSUYA KAWAGOE代官山
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テレビの印象そのままの川越スマイルで北斗を語る妙味
川越シェフに関しては本当にテレビで目にする機会が多いので、なんというか…勝手に親近感を抱きながら話をさせてもらった。繊細なイタリアンを作るイメージこそ強いものの、やっぱり「北斗の子」。年齢的にも1才しか変わらないので同世代として楽しく話せた。ブルース・リーが好きな川越氏に対し、俺はジャッキー・チェン。もし自分もブルース・リー派だったら、ケンシロウを見た時、やはりブルース・リーと思っただろう。

かつてない切り口での語らいは挑戦でもあり新たな道の模索でもある

今回の対談は極めて「特殊」なものだった。これまでは北斗の拳への想いとか、どういうシーンに心を惹かれたかなど、限りなく「原作」に近いポジションでの話だったが、読んでのとおり、今回は徹底的に「料理」に寄った。自分にとっても挑戦だったが、結果は大満足。まさに「プロのシェフが北斗をどう料理するか」が見られたからだ。

Interviewer ガル憎
フリーライター。1974年1月4日、広島県に生まれる。北斗の”第一世代”とも称される生粋の団塊ジュニアかつ原作の公式親善大使で、広島東洋カープファン。原哲夫らとの交流も深く、映画「真救世主伝説 北斗の拳 ZERO ケンシロウ伝」のエンドロールにも名を刻む。好きなキャラクターは、トキ。